耳コピその1

その場で聴いた楽曲を再現する事は、訓練さえしていれば我々ギター弾きにとって難しい事ではありませんが・・・稀にとても驚かれる事があります。

この記事を書いている私はクラシック畑で勉強をしてきて、演奏の方でもあまりアドリブをやってきてはいませんので、専門家の中ではどちらかというと上記のような事はとても苦手な部類です。

恐らくこれから書く事以上に、ジャズやアドリブに強い専門家にしかわからない事があるという前提で今回は書いて参ります。

その場で聴いて音楽を再現するという事は、音楽の構造を理屈と感覚で素早くとらえて再現するというプロセスです。

どんなメロディで、どんな和音の進行で、どんなリズムの音が並んでいるのか・・・。小学校や中学校で習う「音楽の3要素」であるメロディ、ハーモニー、リズムを理解して再現するという事です。

そのプロセスの中で、微妙なリズムの揺らぎやフレーズの流れ、強弱、アクセントのつけ方等細かい所を出来るだけ感覚的にとらえて再現できるとよいです。

・・・とは言ってもそれが難しい・・・。

練習したことが無い方にはハードルが高く感じられるでしょう。

そこで、上記3要素を個別にとらえて再現する練習から始めるとよいです。

最初は聴いたメロディの音の並びを楽器の音の並びと合わせる感じで練習します。

ドレミ・・・の音名はあえて意識せずに、どういう規則で音が並んでいるのかに着目しながら練習するとよいです。音の並びにぼんやりとでも規則性が見えてきたらすばらしいです。予備知識から入りたい方は、スケールを練習をしてからチャレンジするのもよいでしょう。

リズムに関しては、目立つ部分のフレーズや楽器の音を追って手拍子したりハミングしたり、可能なら演奏しながら追ってみるとよいです。その際、強弱等も意識出来るとよいでしょう。難しいリズムや、どうしても感覚だけで追っていけない場合はカウントと拍子の練習、リズム練習等でリズム感を養ってかもう一度チャレンジしてみましょう。

和音を聴く練習は、恐らく初心者の方が一人で行うのは少し難しいですが、ある程度コードが弾ける状態なら、流れとしては3和音でメジャーとマイナーを聴き分けたり、主要三和音の話から入るとわかりやすいでしょう。和音を覚えたらそれぞれの音を個別に聴けるようにアルペジオにして聴いてみるのもよいでしょう。7th、9th、sus4等・・・コードの種類判別練習、ルート音を聴いて和音を当てていく練習もやってみましょう。

文字で羅列すると手間がかかって大変そうに感じてしまうかも知れませんが、やってみるとどれも結構集中できて楽しい練習です。

・・・好きこそものの上手なれ・・・。

好きな楽曲を自力で完全耳コピする事を目標にがんばってみては如何でしょうか?

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